つれづれなるままに… ・2001年12月26日


 数日前の朝、目覚めると泣いていました。

一年に1度か2度、凄く哀しい夢を見てボロボロと涙をこぼして目覚めることがあります。

『男のくせに』と思う方もいらっしゃるかもしれないですが、別に『痛さで泣いてる』とか『いじめられて泣いた』わけじゃないですから、あんまりかっこ悪いことだとは思ってないです(自分では)


で、肝心の夢の内容は、どれほど哀しい夢なのかといえば…

実は、覚えてないんです。
目覚めた瞬間は、おぼろげながら覚えてるんですが、時間が経つにつれて記憶が薄れていって、会社に着く頃にはすっかり忘れてしまってるんです。
不思議ですよね。



でも、一つだけハッキリと覚えている夢があります。
数年前に他界した母の夢でした…。
たしか、母が他界してから3ヶ月後くらいに見た夢なんですが。

その夢の内容は、両親と兄と自分がどこかへ遊びに出かけた帰りの場面で、駅から自宅へ向かって4人で歩いてる場面から覚えてます。
4人で何かの話題を話しながら、ごく普通に歩いています。
しかし、自宅に着く直前で、母親だけが曲がり角を曲がって、家とは違う方向に歩いて行くんです。
父親が必死な顔をして『お前、何処に行くんや!?』と母親を呼び戻そうとしますが、自分と兄が『親父、これでいいねん!これでいいねん!呼んだらあかん!』と涙を流しながら父親を押さえつけてる…、そんな夢でした。


数年経った今でも、その夢の内容と目覚めた瞬間の場面を、妙にハッキリ覚えてます。

でも、それ以外の泣きながら目覚めた夢の内容は一切覚えてません。

もしかすると、全部同じ夢を見て泣いているのかもしれません。

数日前の泣きながら目覚めた時の夢も、嘘のように思い出せません。


なぜ母親の夢だけはっきりと覚えてるのか?
自分は専門家ではないので、絶対そうだとは言えないですが、多分自分が生きてきた中で、一番哀しい思い出に関わる夢だから忘れることが出来ないのではないでしょうか?


自分は、多くの哀しい出来事を体験してきましたけど、肉親との永訣、それが一番哀しい出来事だと思います。


 とある本の中に『記憶とは消えるものではなく、脳の中には今までのすべての記憶は残っているが、思い出すきっかけを失った時に、その記憶を忘れるのだ』というのを読んだことがあります。
ひょっとしたら、この哀しい夢の記憶を忘れる時は、さらに哀しい思い出が自分の脳に上書きされた時、その時にやっと忘れることができるのかもしれないですね。
そう考えると、母親の夢の記憶を忘れないように生きていくのが大事、とも言えますね。



☆今日の一言☆
悲しみをまた、優しさに変えながら生きてく
(花-Memento-Mori-/Mr.Children